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天狗の麦飯

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 テレビの旅番組で、小諸に「天狗の麦飯」という珍しいものがあると取り上げていたので、訪ねて行ってみました。小諸市のオフィシャルサイトにも紹介されているので、知る人は知っていることのようですが、目に見える実体は何もなく、あまり知られてはいないようです。
 小諸駅から小海線でとなりの駅、東小諸という無人駅のすぐ近くにありますが、それでも分かりにくいところです。一面、原っぱとなっていて、天狗の麦飯そのものは見ることができませんが、3000平米と開けた塚になっており、大正10年に国の天然記念物に指定されているので、きれいに保存されています。
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 広場に設置されている説明文です。キツネにつまれるような気になりますが。
天然記念物 天狗の麦飯
ここ味噌塚の麦飯は、大正十年三月国の天然記念物に指定された。たいせつなものである。
天狗の麦飯についての最初の文献は、「善光寺道名所図絵」天保十四年(1843)発行の本である。又、「信濃奇勝録」には天狗の栗飯とも記されているように麦飯か栗飯のようなものである。
この麦飯については明治、大正、昭和に研究されその結果が発表されており、産地はこの味噌塚のほかに浅間山など長野県の東、北部十一箇所ある。けれどもこの麦飯が何であるかは明らかではない。
最初は菌類と言われ、次に下等藻類説になり、次は微生物の集合体であるなど研究はまだ完了されていない。
この構成は微生物の複雑な集団でその生態も奇異である。外国でもコーカサス地方に似たものがあると言われるのみで、世界的にも珍しくまた学術研究上でも貴重なものであり、地域全体で協力し保護に努めたい。
                          平成十三年四月  小諸市教育委員会
 
 他の資料に当たると、寒天質の塊であり、地下数センチから十数センチにわたって分布している、0.1mmから1cmぐらいの小さな粒状とのことで、古くは修験者が食用にしていたと言われるそうです。菌類と言うなら、きのこの類でしょうか。何とも不思議な生物ということ、絶滅危惧種と言っていいでしょう。
 
 無人駅の東小諸は静かさの中に沈み込んでいて、目立ちません。この駅、JR小海線の駅になります。並行して今はしなの鉄道になっている、旧信越本線の複線のレールが走っています。その頃はよくこの小さな駅を、隣りの乙女駅同様、かわいらしく見過ごしていたものです。
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 レールすぐ下には地下人道が通っていますが、落書きなどなく、楽しくなる壁画が見れます。
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 天狗の麦飯の原っぱからは浅間山がきれいに見られます。
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