初めて戦没者遺族として、武道館での全国戦没者追悼式に参列してきました。政府主催のこの種の行事には何かまやかしっぽいものを感じて、今まで行く気も起らなかったのですが、遺族である母が亡くなり、遺児として残る身として何となく、やはり一遍は行っておくのも良いかと、家内が申し込んでくれてお膳立てをしてくれたので、夫婦で行ってきたのです。全国から7000名ほどが集まり、厳粛な中で行われました。集団での行動なのでやたら待ち時間が多かったのですが、猛暑の難儀の中にも、やはり死者を追悼する行為は独特な心の構えになるものです。
全国からの参列のため大型バスが次々とやってきて、会場に入るのも順番待ちです。そのバスの中から会場の武道館をパチリ。警備の厳しさが目立ちます。駐車場に入る前の段階で、バスに警備の警察官が乗り込んできて、参列者の胸章を確認するとのこと。バスに同乗の自治体の係員に任せておけばいいのにと思いましたが、神経質になっているのは今どきの特徴かも。
遺族代表の追悼の辞では73歳の婦人でしたが、母親のお腹に居る時に父親が出征したので、父親の顔も知らないと述べられ、境遇がすっかり似ていることに、思わず涙腺が弱くなってしまいました。同じような遺族が現に居ると感じただけでも、今まで無関心でいたことに悔悟の念を抱いてしまいました。やはり、安倍政治の人々にはそんな感情の襞は通じていない感じるところ大でした。
ところで、首相の式辞では、ヒロシマ、ナガサキの記念日に首相に浴びせられたヤジめいたものが飛ぶものかと注目していましたが、さすがその騒ぎはありませんでした。大勢のSPが配置されている会場ではそんなことはできないように仕組まれているというものです。