普段何の気なしに通っていた道筋に、矢印入りの「だんご石」の表示があるのを見つけ、以来気になっていたので、暑いさなか近くに車を置き100メートルばかり山道を歩いて探しに行ってみました。結構、整備されており、ブドウ畑などの中に大きな岩が突然のように現れて圧倒されます。
何でも寛保2年(1742)の大洪水の時に、上流から流されてきた岩とのこと。地元の歴史的遺産を守る会による案内板があります。
だんご石のゆらい
むかしの話 小諸の民話から(小諸児童文学の会)
むかし、寛保2年(1742年・戌の満水)いく日もいく日も雨が降りつづきました。“ドドーッゴーゴーゴーガラガラ”大きな音といっしょに山が抜けました。山のような土石流が小諸のご城下をおそったのです。人々は命からがら逃げまどいました。やっとのことで大水もおさまった、ある日のことです。押出の村で畑の方へ見回りに行った人がとび帰ってきました。畑のまん中に大きな大きな、ほんとに見たこともないほど大きく、まんまるな石が、どんとすわっていました。
「まるくていいかたちじゃねえかい」「だんご石とでも言うことにするかなぁ」と「だんご石」と名づけました。いったいどこからきたのだろうかと、あちこちたずね歩いたすえに、深沢川のずっと上流の方にある、ねんぼ岩のそばに、だんご石がすっぽりと入るほどの穴があいているのを見つけました。
だんご石は、大きな浅間山を見上げて、千曲川の瀬音をきいて、ふたたび天災がないようにと祈っているのでしょう。
周囲(約22メートル)・高さ(約5メートル)
新町区歴史的遺産を守る会